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今日も気分で景観を考えてます!
by hayashi_kentarou
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けんちくの手帳 (2) ~OKD、テクノスケープを語るの巻~
【↓開会直前、このあと.com。会場の準備も終わり、OKD師が登壇】
けんちくの手帳 (2) ~OKD、テクノスケープを語るの巻~_b0022140_21523269.gif

さてさて、イベント本体についてです。



けんちくの手帳、吉永さんにご指示いただいて、
会場の準備が開場10分前くらいに終了。
その後、
続々とお客さんが入り、「僕達立ってましょか?」というくらいの込み具合。

そこへ、本日のスピーカーOKD師が登場。
進行の山崎さんからのこんな言葉から、イベントは幕を開けるのでした。

「コレは、毎回、イベントの始めにアンケートを取るようにしているのですが
今回、会場に足をお運び頂いた方で、
建築を学んでいる、或いは生業になさっている方は・・・、
では、それ以外の方は?」

このイベントは
「著名な建築家が新作を語る」という建築業者の集いではない。
世の中にもっと、
カジュアルに『けんちく』の楽しさ、価値観を広めていこう、楽しもうという
そういう考えに基づいている。
日常と繋がった『けんちく』という風体を語りあい、笑う
そんな雰囲気のイベントである。

「こんなものも、なるほど見方によっては面白い!」
「景観の価値を決めるのは、それを見る人全員である」
という言葉が、著作の帯に躍る
「オブザーバーが発見する風景」という考えを提唱しているOKD師は
もってこいのスピーカーと言えるのかもしれない。

そんなイントロに続いて、OKD氏がイヨイヨ口を滑らせる、
いつにも増して滑らか。
【↓氏の原風景、日立鉱山の大煙突(崩壊後)
                     「風景の探索がココから始まった・・・」】
けんちくの手帳 (2) ~OKD、テクノスケープを語るの巻~_b0022140_22243823.gif

話は、
・氏の出身地、企業城下町日立の風景
・大学に進んでから折に触れて訪れた、京浜工業地帯の風景
・戦前に存在した
 工場の造成によって生まれた離れ島を利用した海水浴場
・モダンという風潮と工場景観に対する、当時の礼賛を
 近代絵画や、周辺の川崎市の市歌などに見る
・東京タワーとエッフェル塔に対する評価をロラン・バルトの著作から考える
など、工場景観、産業風景、テクノスケープに対する
史的、国内外の評価面から前半はスライドを交え語る。

エッフェル塔の景観に対しては、
電波搭という機能は後付されたもので、
建設には機能的な意義が存在していなかった。
このことが、ロケットや木の幹、昆虫など多様な意味の引き寄せ、
見立てを可能にしていること

また、工場景観に対しては
戦前の繁栄のシンボルとしての礼賛
60年代以降の公害の原因としての嫌悪
その後80年代以降、公害が改善された後の現在、
工場景観に対しては意味づけがなされず
湾岸地域などの夜景など、観光ガイド等で注目される際に現れる
『美しい』という評価では、
その実、コレまでに無く内容が存在せず、異化が生じ
エッフェル塔のようにオブザーバーによる多様な評価を可能としているとして
その景観の特性と可能性が説明された。

(以上の内容に関しては、氏の著作、テクノスケープに詳しい)

さてはて、僕がお気楽Blogにレビューしているのに
なにやら固い文章になってしまっているのに対して
会場の雰囲気は実に和やかであった。
そこは、スピーカーの人となりとでも評しておいたらいいのかも・・・。
【↓抽象・具象での単純反復による印象の違いについての説明のシーン】
けんちくの手帳 (2) ~OKD、テクノスケープを語るの巻~_b0022140_23172268.gif

得意のパワーポイントで今回も笑いを取っていた。
実際には、一切冗談めいたスライドはなく、
美術評論などに基づいて「単純反復」を解説しているだけであるのだが
そこは、一瞬にして理解を呼び、次の瞬間には笑いを誘うという
浸み込むような
レベルの高いプレゼンテーションが行われたということは
会場に足を運ばれた方々と共通の認識に違いないと思う。


ん~と、その後、質疑応答がなされたのですが、そこは、マタ次回にでも!!
by hayashi_kentarou | 2005-04-26 23:26 | 景観
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